箇条書きシリーズ VOL3. アンハイザーブッシュ スポンサーショック
- 2018.04.16
- 事例研究
- アンハイザーブッシュ, インセティブ契約, スポンサーシップ, プロパティ
箇条書きシリーズは、サンディエゴ州立大学スポーツMBA現役学生である私しゃうしが、気になったスポーツビジネス記事を日本語に要約するシリーズです。
今回の記事は Sports Business Journalより “A-B’s Sponsor Shocker”(アンハイザーブッシュ スポンサーショック)です。
■ 記事要約
- ビールブランドのトップ、アンハイザーブッシュはスポンサーシップ契約において、プロパティ(*チームやイベントなどのスポンサーを受ける媒体の)に対して戦績やマーケティングKPIの達成度合いに連動したインセンティブ契約を開始した (最大30%のボーナスを支払う)
- 目的としては、プロパティに対してファンがどのブランドがオフィシャルスポンサーかを正しく認知するよう努力することを促進するため
- このようなインセンティブ契約は業界初ではないものの、大手企業が行うのは初めてのこと
- アンハイザーブッシュは「スポーツ王」と呼ばれるように130超ものプロ、カレッジチーム、イベントをスポンサーしているため、今回の動きはスポーツスポンサーシップ業界の情勢を大きく変える可能性がある
■ 契約構造
- KPIには下記が含まれている
- 観客動員数
- 戦績
- その他のフィールドパフォーマンス
- ソーシャルメディアKPI
- その他のファンエンゲージメントKPI
- プロパティにとってデメリットなし、インセンティブ要件未達の場合のペナルティなどは無し
■ チーム・イベント内訳
NFL (2011), 28 teams
NBA (1998), 18 teams
MLB (1980), 22 teams
FIFA (1986)
PGA Tour (1994)
NASCAR (2018), Stewart-Haas Racing
19 NHL teams
12 MLS teams
Approximately 30 NCAA Division I college athletic programs
WNBA (1996), 2 teams
■ 所感
このような契約構造が主流になれば、下記のようなケースが結果として起こるのではないかと推察される
- スポンサー企業らが、金融商品の投資選定をするかのようにプロパティのポートフォリオを多様化させる
- 戦力均衡促進。負け続けているチームがいよいよレベニューシェアリングに甘んじず、インセンティブ要件達成すべき戦力強化に本腰を入れる
- デジタルマーケティング職の増加
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